睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
「家族にいびきや無呼吸を指摘された」「しっかり寝たはずなのに、日中ひどく眠い」……。 これらは単なる疲れではなく、睡眠時無呼吸症候群(SAS)という病気のサインかもしれません。
SASは、睡眠中に何度も呼吸が止まる(または浅くなる)病気です。医学的には、10秒以上の無呼吸や低呼吸が、1時間あたり5回以上みられる場合に診断されます。
こんな症状、心当たりはありませんか?(チェックリスト)
一つでも当てはまる方は、睡眠の質が著しく低下している可能性があります。
- 大きないびきをかく
- 睡眠中に息が止まっていると指摘された
- 夜中に何度も目が覚める(トイレに起きる)
- 起床時に頭が重い、ズキズキする
- 日中に強い眠気や倦怠感がある
- 集中力が続かず、仕事や勉強に支障が出ている
ESS(Epworth Sleepiness scale)
11点以上で陽性 感度は低いが、特異度は高い
AHI and/or RDI ≧5 感度54% 特異度65%
AHI and/or RDI ≧15 感度47% 特異度62%
AHI and/or RDI ≧30 感度58%, 特異度60%
Sleep Med Rev. 2017;36:57-70
SASを放置するリスク:健康と社会生活への影響
「ただのいびき」と放置するのは危険です。無呼吸による低酸素状態が続くと、全身に大きな負担がかかります。
- 重大な合併症: 高血圧、心筋梗塞、脳卒中などのリスクが数倍に高まります,
- 交通事故のリスク: 日中の強い眠気により、交通事故を起こす確率は健康な方の約2.6倍以上になると言われています,
- QOL(生活の質)の低下: 慢性的な疲労感が続き、性格の変化や気分の落ち込みを招くこともあります,
当院の検査:ご自宅で「寝るだけ」の簡易検査
当院では、入院の必要がない「簡易無呼吸検査」を行っています。
- 検査の流れ: 診察後に検査機器をお貸し出しします。ご自宅で寝る際にセンサーを装着するだけで、睡眠中の呼吸や酸素濃度を記録できます。
- 判定: 機器を返却いただいた後、解析結果を医師が詳しくご説明します。
※当院では精密検査(PSG)にも対応しております。
睡眠時無呼吸症候群の治療
シーパップ療法(CPAP療法:持続陽圧呼吸療法)
睡眠時に鼻マスクを装着して、マスクから適切な圧力の空気が押し出され、気道を確保する治療法です。専用の装置をご自宅で使用する持続陽圧呼吸療法で、日本の治療ガイドラインで推奨されています。
中等度以上の方が治療対象となり、健康保険が適応されます。
個人差はありますが、人によっては日中の眠気や集中力低下などの症状が改善し、交通事故の減少、生活の質(QOL)の向上がみられています。
負担が少なく手軽に始められ、治療効果が早くあらわれることが期待できますので、ぜひご相談ください。
当院でのCPAP(在宅持続式陽圧呼吸療法)治療中の患者数
82名(2023/7/1 現在)
そのほかの治療
- 生活習慣改善
肥満は閉塞性睡眠時無呼吸の危険因子です。運動や食生活改善により減量が必要です。
また、飲酒は就寝時の無呼吸や低呼吸が起きやすくさせるため、できるだけ控えてください。 - 外科治療
口蓋垂軟口蓋咽頭形成術が行われることがあります。 - マウスピース装着
就寝時に特殊なマウスピースを装着し、気道を確保します。歯科受診が必要になりますが、適応するケースが限られます。
保険診療を考慮したSASの診断と治療(睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020)
当院での診察の流れ
- 問診
自覚症状などをうかがいます。 - 簡易検査
検査機器をお貸ししますので、ご自宅で簡易検査を行っていただきます。 - 再受診
検査機器を返却いただいて、1時間あたりに起こる無呼吸と低呼吸の平均回数を基に、診断します。 - 治療
上記の検査で診断された場合には、治療としてCPAP療法を行います。
