メニュー

HELT-E₂S₂スコアで、あなたの脳梗塞リスクを日本人基準で確認する

[2026.04.13]

「脳梗塞のリスクはどのくらいですか」——外来でよく受ける質問です。答えるためのツールは複数ありますが、日本人の心房細動患者に限れば、2023年のJCS(日本循環器学会)ガイドラインが新たに推奨したスコアがあります。HELT-E₂S₂スコアです。

なぜ日本人専用のスコアが必要なのか

これまで広く使われてきたCHADS₂スコアやCHA₂DS₂-VAScスコアは、欧米のデータをもとに開発されたものです。日本人は同じスコアでも脳梗塞発症率が欧米より高い傾向があり(Atarashi H, et al. Circ J 2016)、欧米発のスコアをそのまま使うとリスクを低く見積もる可能性があります。

HELT-E₂S₂スコアは、日本国内5つの大規模登録研究のプールデータから開発されました。7,020人、23,241人年の追跡で287件の脳梗塞イベントを解析した、日本人のためのスコアです(Toyoda K, et al. Stroke 2022)。

HELT-E₂S₂スコアを自分で計算してみてください

6つの項目で構成されています。

  • H(Hypertension)高血圧がある:1点
  • E(Elderly)75〜84歳:1点
  • L(Low BMI)BMIが18.5未満:1点
  • T(Type of AF)持続性または永続性の心房細動:1点
  • E₂(Extreme Elderly)85歳以上:2点
  • S₂(Stroke)脳梗塞またはTIAの既往:2点

最大合計:8点

注目していただきたいのはLとE₂です。「低体重」と「超高齢」が独立した項目として入っています。欧米人より体格が小さく、高齢化が進んだ日本人の特徴を、このスコアは正面から組み込んでいます。

スコアに応じて何が変わるか

JCS 2024ガイドラインでは、HELT-E₂S₂スコアをもとに抗凝固療法の適応を検討することがClass IIa(考慮してよい)として推奨されています。スコアが高いほど脳梗塞リスクが上昇し、抗凝固薬の必要性が高まります。ただし最終的な判断は、出血リスクや腎機能など他の要素も含めて医師が行います。「スコアが低いから大丈夫」と自己判断せず、必ず受診して確認してください。

受診時の「会話のきっかけ」に使ってください

HELT-E₂S₂スコアを知る意味は、ご自身のリスクを数字で把握することにあります。受診前に自分で計算して「私のスコアはいくつになりますか」と聞いてみてください。その一言が、治療の質と納得度を変えます。納得して始めた治療は、続けられます。

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME