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2026年4月から変わりました ── 65歳の肺炎球菌ワクチンが「プレベナー20」に、5年後の再接種も想定に

[2026.08.31]

「65歳になったら肺炎球菌ワクチンを受けましょう」――これは長年、みなさんが自治体や医療機関から受けてきたご案内でした。ところが2026年4月から、その中身が大きく変わりました。今回は、何がどう変わったのか、そして「1回打てば一生大丈夫なのか?」というよくある誤解も整理してお伝えします。

そもそも肺炎球菌ワクチンとは

肺炎球菌は、肺炎の原因菌の中で最も多いもののひとつです。特に高齢の方や、糖尿病・心臓病・呼吸器の病気を持つ方では、重症化して入院や命に関わることが少なくありません。この菌による肺炎や重い全身感染(敗血症・髄膜炎)を予防するのが、肺炎球菌ワクチンです。

これまでの「ニューモバックス」から、新しい「プレベナー20」へ

これまで高齢者向けの定期接種で使われていたのはニューモバックス®(PPSV23)というワクチンでした。効果は5年程度で薄れるため、5年ごとに再接種することが勧められていました。

これが2026年4月から、プレベナー20®(PCV20)というワクチンに切り替わりました。プレベナー20には次のような特徴があります。

  • 健康な高齢者ではまず1回の接種で開始する(当面は「5年ごと機械的に再接種」という運用は取らない)
  • 体の中に「免疫の記憶」を作るタイプのワクチンで、効果がより長く続きやすい
  • 肺炎球菌の20種類のタイプに対応(重要なタイプがしっかりカバーされる)
  • 肺炎そのものを予防する効果が期待される

ここが大事:「1回打ったら一生大丈夫」ではありません

ワクチンの案内の中には「結合型ワクチンだから追加接種は必要ない」という説明を聞かれた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これは不正確な説明です。

日本呼吸器学会・日本感染症学会・日本ワクチン学会の合同委員会がまとめた最新のガイドライン(第8版、2026年4月公表)には、はっきりこう書かれています。

プレベナー20(PCV20)およびキャップバックス(PCV21)接種後のワクチン効果の持続は5年程度と考えられるため、免疫原性の観点からは接種後5年以降の再接種が必要と考えられる。

松戸市医師会からも、2026年6月に「『二度と追加接種は必要ない』といった過度な説明を避け、5年以降の再接種を検討する旨を伝えてほしい」と各医療機関に呼びかけがありました。当院でもこれに沿って、「今回の接種のあと、5年をめどに再接種の相談をしましょう」とお伝えしています。

ただし、5年後に具体的にどのワクチンをどう追加するかは、今後の研究成果と国のガイドラインを踏まえて決めていくことになります。「一生大丈夫」ではないけれど、「今すぐまた打つ必要もない」――そんな位置づけとお考えください。

ハイリスクの方は追加でもう1本が必要な場合も

健康な高齢者では「まず1回」の運用ですが、次のような方は、プレベナー20の接種のあとに、これまでのニューモバックスを追加で打つ「2本立て」の接種が推奨されています。

  • 抗がん剤治療中、免疫を抑える薬を使っている
  • 脾臓を手術で取った、あるいは機能していない
  • 慢性の腎臓病・ネフローゼ症候群
  • 過去に髄液漏を起こした、人工内耳を使っている

該当する方は、当院で接種歴を伺いながらスケジュールをご提案します。

もう一つの新しい選択肢 ── キャップバックス(PCV21)

2025年10月から、キャップバックス®(PCV21)という新しいワクチンも受けられるようになりました。こちらは大人の肺炎球菌感染で問題になりやすい21種類のタイプを狙って作られたワクチンです。

ただしキャップバックスは、定期接種の対象ではなく任意接種(自費)で受けられるお薬です。特に免疫が弱い方や、より広くカバーしたい方の選択肢になります。

「これまでにニューモバックスを打ったよ」という方へ

すでに過去にニューモバックスを受けたことがある方も、新しいプレベナー20を追加で接種することができます。目安は「前回のニューモバックス接種から1年以上経ってから」です。

「もうニューモバックスを2回受けたけど、切り替えたほうがいい?」といったご質問も増えていますので、ご自身の接種歴・体調・持病を踏まえてご相談いただければ、最適なプランをご案内します。

65歳未満でも受けたほうがよい方

65歳未満でも、以下のような病気をお持ちの方は、肺炎球菌感染症で重症化するリスクが高いため、ワクチン接種が勧められています。

  • 慢性の心臓病(心不全・狭心症・心筋梗塞など)
  • 慢性の肺の病気(COPD、気管支喘息など)
  • 糖尿病
  • 慢性の腎臓病、肝臓病
  • 免疫が弱っている状態(がん治療中、脾臓を摘出した後など)

これらに当てはまる方は、自費(任意接種)になりますが、早めの接種をご検討ください。60〜64歳で日常生活に活動制限がある持病をお持ちの方は、定期接種の対象になるケースもあります。

よくあるご質問

Q. インフルエンザワクチンや帯状疱疹ワクチンとの同時接種は?
A. 可能です。左右の腕に分けて同じ日に接種することができます。

Q. 副反応はある?
A. 接種部位の赤み・腫れ・痛みが多く、通常は数日で改善します。まれに発熱や倦怠感が出ることがあります。

当院でできること

当院(東松戸クリニック)は内科・呼吸器内科・循環器内科として、肺炎球菌ワクチンの接種を行っています。65歳の定期接種はもちろん、65歳未満のリスクの高い方への任意接種、ハイリスクの方への追加のニューモバックス接種、5年後の再接種相談、キャップバックスなど新しい選択肢のご相談も承っております。

「今年65歳になる」「持病があるので予防をしっかりしたい」「以前ニューモバックスを打ったけど今後どうすればいい?」「『追加接種は要らない』と説明されたけど本当?」――そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。

※本記事は一般的な医療情報の提供を目的としたものです。実際の接種可否・スケジュールは診察のうえ判断いたします。制度・保険適応は執筆時点のものです。

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