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大動脈弁狭窄症(AS)

「少し歩くだけで息が切れる」「胸が締め付けられる感じがする」「立ちくらみが増えた」――高齢の方にこうした症状が出たとき、大動脈弁狭窄症が隠れているかもしれません。
大動脈弁狭窄症(AS)は、心臓の出口にある弁が加齢・石灰化によって硬く狭くなり、全身への血流が妨げられる病気です。75歳以上では約3〜4%に認められ、症状が出ると急速に悪化します。自覚症状がない段階から心エコーで定期的に評価することが、予後を左右します。

大動脈弁狭窄症の症状

弁の狭窄が軽度のうちは自覚症状がほとんどありません。中等度〜重度になると以下の3症状が現れ、無治療のままでは予後が急激に悪化します。

  • 狭心症(労作時の胸痛・圧迫感)── 無治療で平均生存期間 約5年
  • 失神・ふらつき(労作後や立ち上がり時)── 無治療で平均生存期間 約3年
  • 心不全(息切れ・足のむくみ)── 無治療で平均生存期間 約2年

こんな症状・きっかけがある方はご相談ください

  • 階段や少し歩くだけで以前より息が切れるようになった
  • 胸の締め付け感・圧迫感がある(特に動いたとき)
  • 立ちくらみ・ふらつき・一時的な意識消失がある
  • 心臓の雑音を指摘されたことがある
  • 健診の心電図で「左室肥大」と言われた

当院の心エコー検査── エコー専門医による精密評価

大動脈弁狭窄症の診断・重症度判定・経過観察はすべて心エコーが基本です。当院の院長はエコー専門医として、弁の形態から心機能まで一度の検査で総合的に評価します。受診当日に結果をご説明します。

エコーで評価すること 内容
弁の形態・石灰化 弁が何枚あるか(3枚弁か先天性2枚弁か)、石灰化の部位と程度、弁口の開き具合を直接観察します。
狭窄の重症度 ドプラ法で弁を通過する血流の最大速度・平均圧較差・弁口面積(AVA)を計測し、軽症〜超重症を分類します。
左室機能・心筋肥厚 長期の負荷で左室の壁が厚くなっているか、ポンプ機能(EF)が低下していないかを評価します。
合併弁膜症・大動脈の評価 大動脈弁逆流・僧帽弁疾患・上行大動脈の拡張(先天性二尖弁で重要)なども同時に確認します。
次回エコーまでの間隔判断 重症度に応じた適切なフォロー間隔(軽症:2〜3年/中等症:1〜2年/重症:6〜12ヵ月)を個別に判断します。

※ 「他院でエコーを受けたが説明がよくわからなかった」「重症度の判定が正しいか確認したい」というセカンドオピニオンのご相談も承ります。

大動脈弁狭窄症の重症度と経過観察

心エコーで測定した弁口面積・血流速度・圧較差をもとに重症度を分類し、治療介入の時期を判断します。

重症度 弁口面積・血流速度の目安と対応
軽症 AVA >1.5cm² / 最大速度 <3m/s → 2〜3年ごとの心エコーフォロー
中等症 AVA 1.0〜1.5cm² / 最大速度 3〜4m/s → 1〜2年ごとのフォロー、症状変化に注意
重症 AVA <1.0cm² / 最大速度 ≥4m/s → 症状が出たら速やかに治療を検討
超重症 最大速度 ≥5m/s → 無症状でも手術適応を検討する場合あり

大動脈弁狭窄症の治療

薬で弁の石灰化を改善する方法は現時点ではありません。重症度・症状に応じて以下の治療を行います。

内科的治療(経過観察中の合併症管理)

心不全・高血圧・不整脈などを薬でコントロールします。ただし大動脈弁狭窄症では血圧を下げすぎると危険な場合があり、薬の選択には専門的な判断が必要です。

大動脈弁置換術(SAVR)── 外科手術

損傷した弁を人工弁に交換する手術です。確実な治療効果が期待でき、比較的若い方・心機能が保たれている方に適しています。

経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)── カテーテル治療

足の付け根からカテーテルを挿入し、心臓を止めずに人工弁を留置する低侵襲治療です。開胸手術のリスクが高い高齢者・合併症の多い方を中心に、近年は適応が広がっています。当院では適応を評価したうえで連携施設へご紹介します。

※ SAVR・TAVIどちらが適しているかは、年齢・心機能・弁の形態などをもとにハートチームが総合的に判断します。

まとめ

「心雑音を指摘された」「息切れや胸の圧迫感が気になる」「他院のエコー結果をきちんと説明してほしい」――そのようなお悩みがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
当院ではエコー専門医が弁の状態を精密に評価し、定期的な経過観察から専門医療機関へのご紹介まで、患者さま一人ひとりに合った対応をいたします。「手術が怖い」「年齢的に無理ではないか」という不安もぜひご相談ください。

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